●OLYMPUS 顕微鏡撮影装置 PM-6/露出計 EMM-7
\ 35,000
オリンパスOM-1は発売と同時に、その小型・軽量ながら高性能なボディと優秀なズイコーレンズによって、一眼レフとしては遅咲きながらも瞬く間にトップレベルの人気機種となった。
もちろん人気の理由は一番にそのコンパクトなサイズが挙げられるが、それ以外に(当時では)最も後から一眼レフ市場に参入したとは思えない程の、完成されたシステム群の存在も無視できない。
「天体からミクロまで」を標榜してラインナップされた各種のアクセサリーは、そのキャッチ・フレーズ通りあらゆるジャンルの写真撮影を可能とするものであった。
中でも接写関連のマクロ・フォト・グループの充実ぶりは、OMシリーズにおける大きな魅力であった。顕微鏡メーカーとしてはニコンと並ぶトップ・メーカーであったオリンパスの最も得意とする分野がマクロ撮影であり、さらにそこから一歩進んだ拡大撮影=ミクロ・フォトだったのである。「天体からミクロまで」という言葉も、その自信の現れなのであろう。

この一見したところではなにかの計測器セットとしか思えない、なにやら物々しい機材一式は、実はかつてOMシステムのカタログに「フォト・ミクロ・グループ」の一つとして掲載されていた顕微鏡写真撮影装置である。
右の木箱に入った、カメラと三つ又状の筒とのセットがその主装置であるPM-6だ。PMとは、そのまんまPhoto Microの頭文字である。同社ではOMシステムの開発に着手する以前から、顕微鏡事業部でマイクロ・スコープの観察映像を写真に残すための装置を手がけており、既にこの機械が6代目、すなわちPM-6だったのである。

もともとが病院や研究所などで主に学術用として使う事を想定されて、またそのように使われて来た機械なので、機能最優先に設計・デザインされている。一般の個人ユーザーがこれを顕微鏡にセットして写真を撮るなどという状況は考慮の外なので、ブランド・ロゴなど一切の虚飾は入り込む余地もなく、誠に素っ気ない。
あまりに目的に特化しすぎていて、そこが如何にも専門家が使うプロ機材という感じである種の機能美が感じられる。
フィルムを装填するカメラ・ボディ部は、OMとはあまり共通性が見られない。形状やサイズなどは、OMよりはむしろ当時オリンパスのメイン商品であったペンシリーズやトリップ35などに近い。実際、このPM-6のボディに貼ってある外装はPEN-FやFTに使用されていたのとまったく同じ、格子模様の革張りである。
フィルム装填時には裏蓋が横に開くのではなく、底板を含む背中の部分がスッポリと下方向に抜ける方式で、これもやはり初代のPenやPen-Sと同じである。着脱のロック/解除ツマミまで共通の部品になっているのが面白い。
顕微鏡写真撮影というのは、露出決定が非常に難しい。対物レンズや写真用の結像レンズを通して入ってきた光を正確に測定し、露光量をシャッタースピードで調節しなければならない。そのために用いられたのが、最初の写真の左側に見えるテスターのような機械である。これを鏡筒部に連結して適正露出を読みとるのだ。
この機械はEMM-7という型番で、PM-6ともどもOMシステムのカタログに載せられていた。そのカタログを見て注文した一般ユーザーが存在したのかどうかははなはだ疑問ではあるが、その気になれば買うことは出来たのである。
ちなみに、EMMはExposure Measuring Meterの略号と思われる。
これを一式購入しても、顕微鏡写真が撮れるわけではない。そう、顕微鏡本体がなければ使おうにも使うことすら出来ないのだから。しかし、OMシステムとしてOM-1やOM-2と一緒に眺めたり、いじったりしていると実感として「ミクロから天体まで」をイメージすることが出来て、それはそれで楽しいひとときである。
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