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CONTAX Planar 55mm F1.2 MM(G) Planar 100 Jahre

\ 693,000

カール・ツァイスの金看板、プラナーレンズの100周年を記念して1996年に1000本のみ製造されたプラナーの中のプラナー。それが、この55ミリf1.2である。

ツァイスの基本的理念である「開放から使えること」、F1.2という大口径でそれを見事に実現して見せたのは、同社(現在は財団だが)がプラナー・レンズに並々ならぬ自信と愛着を持っているからであろう。
しかもPLANARという名前が示している通り、レンズが結ぶ像の平坦性もまた、抜群に優れている。発明されてから100年経った今でも、現存するすべての写真レンズの頂点に君臨する存在、それがこのプラナーなのである。
100年に渡る光学技術が、この一本のレンズに結集されていると言っても過言ではあるまい。
このレンズは銀塩フィルムを使って、一齣ずつ丁寧に撮影して映像を遺すのにこそふさわしいレンズである。間違っても安易にアダプター等を介して、たかだか10数年の歴史しかないデジタル・フォトに流用して、薄っぺら画像を写すような暴挙は慎んでいただきたいものだ。


京セラ/コンタックスが消えてしまった今でも、カール・ツァイスのブランドは健在であり、何種類かの35ミリフィルム用交換レンズは供給されている。しかし、銀塩カメラがデジタルの利便性の前に、次々と姿を消しつつある風潮の中にあって、これから先にこのようなマニア向けの特別なレンズが設計・製造されるかどうかは甚だ疑問である。
現在の中古カメラ市場において、70万・80万という大変な高額で売買されているのも、そう言う意味では致し方のないことなのかもしれない。

さて、ここにご紹介するプラナー55/1.2であるが、100周年記念の1000本限定であるのは当然として、実はもう一つ「スペシャル」な特徴がある。下の写真をご覧頂きたい。



前部外周に刻印されたレンズナンバーにご注目いただきたい。"8000002"という数字が読みとれる。
記念レンズであるから、シリアルナンバーも専用の通し番号になっている。1000本限定の番号は、恐らく8000001からスタートして8001000であろう。(8000000から8000999かも知れないが。)
だとすると、このレンズは「2番目」に造られたものという事になる。

一般的に、シリアルが「1番」とか、キリのいい「00000」などの番号を持つ製品は、メーカー自身が展示用や社内資料として保有していたり、特別なユーザーに寄贈したりするのが普通である。従って、ほとんどの場合は中古市場などに売り物として出てくることはない。まれに世界的に有名なオークションなどで見かけることがある程度だ。だとするなら、この1000本の中の「二番目」は、かなり希少価値が高い。

発売前にメーカーの製作するカタログや、雑誌の新製品情報などの記事で掲載する写真を撮るために、被写体として最初に製造された若いナンバーの製品が使用されることも良くある。それらに使われた製品も、普通は販売されずにメーカーがテスト用などで管理しているケースが多い。もしかすると、この8000002番もそれに該当する個体だったのかもしれない。
と言うのは、今回この紹介文を書くにあたって参考にした、日本カメラ社発行の「1997年版カメラ年鑑」に載っている
プラナー55/1.2の記事部分に小さく添えられた写真が、シリアル8000002のように見えるからだ。小さい上にモノクロで鮮明とは言い難い写真なので、間違いなく「この番号」と断言は出来ないが、少なくともそれ以外の数字には見えない…と、この場ではそれだけ申し述べておく。
ただ、これだけの高額かつ稀少なレンズであるにもかかわらず、本来なら必ず付属しているはずの専用フードやフィルター・キャップなどがこの個体には何故か、当社に入荷する時点で既に付属していなかった。大変残念ではあるが、それもこの個体が「サンプル」に近い扱いで保管されていたとすれば、辻褄は合うのである。



まぁ、実のところシリアルナンバーなどは、この「究極のプラナー」でどんどん写真を撮って、自分だけの傑作を造りたいと考えるツァイス・ファンにとっては、どうでも良いことであろう。むしろレンズの性能や中古品としてのコンディションの方が重要で、製造番号が特別だからと言って法外な値段が付くのは迷惑千万と思われても無理はあるまい。
その点はご安心いただきたい。最近の相場では、元箱入り・付属品完備のプラナー55/1.2新同品が売りに出されると、少なくとも70万円以上、80万円台のプライスが付けられるのも珍しくない。今回は、このページの冒頭に記載してある通り、70万円を切る価格設定で銀座中古カメラ市にお目見えする。

 

シリアル8000002…1000本中の二番目という付加価値は正に「プライスレス」。
にもかかわらず、\693,000と70万までは届かないお値段を、あなたは「安い」と見るだろうか?
それとも、フードやフィルター、キャップ、さらには化粧箱もないという、100周年記念の限定モデルとしては、やや物足りない?商品構成の割りには、ちょっと「高い」と見るだろうか。

判断の難しいところではあるが、当日に現品をご覧になって考えていただくのも良いかも知れない。
ただし、言うまでもなく現品限り、一点のみである。売れてしまっていたら、その節はご容赦願いたい。