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Leitz/Schneider Xenon 5cm F1.5 (Leica E39 Screw-Mount)

 \ 79,800

バルナック・ライカの初期、ライカの標準レンズで最も明るいレンズはF2のズマールであった。(ズマールは1939年に前玉を2枚貼り合わせとする改良を経てズミタールになる。)
当時はフラッシュやストロボが今のように誰でも手軽に利用できる時代ではなかったし、アヴェイラブル・ライトで撮影するのがライカの本領でもあったため、もっと明るいレンズの需要は少なくなかったと思われる。
そうした状況を受けて、ライツ社は自社設計よりも手っ取り早く(?) 既に定評のあったシュナイダー社のクセノンレンズをラインナップに加えた。
当時はF1.5の大口径レンズともなれば、なかなか手のでない高級品であった。まさに「高嶺の花」という言葉がふさわしく、あまり売れなかったようで、結局6190本しか作られていない。

このレンズには"Taylor-Hobson"という刻印が入っている。イギリス・アメリカへの輸出向けとして生産されたもので、英・米ではXenonという名称のパテントをTaylor-Hobson社が所有していたために、こうした仕様となっている。

 

1936年に発売され、記録では1950年まで売られているが、1943年以降は多くても年間トータルで50本止まりの出荷数となっている。
1949年には、ようやくライツ社による自前のF1.5/ズマリットが発売になったが、レンズ構成はこのクセノンをそのまま踏襲するものであった。ただしズマリットには「新種ガラス」がエレメントの一部に採用されているので、レンズとしての性能は向上している。(一方で今日まで残っているズマリットは、その十中八、九に特有のクモリを生じている)
さらにズマリットを基本設計としてズミルクス50ミリF1.4が造られた事を考えると、このクセノンは初代ズミルクスと呼んでも間違いではないのかもしれない。



希少価値もさる事ながら、ライカの歴史を知る上でも、コレクターにとっては押さえておきたいレンズである。




Angenieux Retrofocus type R-1 35mm F2.5 (Leica E39 Screw-Mount)

 \ 84,000

仏・アンジェニュー社については、別項でAF28-70/2.6をご紹介した中でも触れているので、ここで再度述べても同じ内容の繰り返しになってしまう。詳しくはそちらをご覧頂きたい。
そこでも書いたが、そもそも一眼レフ用の広角レンズとして各社がこぞって採用した「レトロ・フォーカス」レンズは、このアンジェニューに始まる。

この写真のレンズが、そのレトロ・フォーカス(タイプ1)である。

 

レンズマウントは改造してあり、ライカL(E-39)マウントにMLリング付きとなっている。ヘリコイドはライカのボディで距離計に連動させるために、マウント改造部に新設されており、本体のピントリングはテープで固定する仕様となっている。



F2.5とは思えない、大きな前玉が特徴的である。おそらくは通常の前後対称型ならばここまで口径を大きくする必要はなかったのではないだろうか。レトロ・フォーカスなればこその、堂々たる風格を持ったレンズである。鏡胴もこれで35mmの広角?と驚くような全長を有している。テレ・エルマリート90ミリと同じくらいの長さではないだろうか。
しかし、この設計のお陰で一眼レフに取り付けてもミラーボックスと干渉しないだけの、長いバック・フォーカスが広角レンズでも可能になったのである。



このレンズが、その後はほとんどカメラの歴史に登場してこないフランスという国で生まれたというのは、少々皮肉にも思える事実である。



このレンズは宮崎光学(MS Optical)にてライカ用に改造されたもので、改造内容やレンズ自体についての詳細なカルテが添付されている。一読したところでは、素直な発色を示す、非常に解像力の高いレンズであるようだ。距離計の精度もきちんと測定されているので、よくある安直なアダプターでオールドレンズをライカに付けたりするのとは違って、信頼性の高さが窺われる。一眼レフではないライカM型で、あえてレトロフォーカスを使用してみるのというへそ曲がりな写真道楽もまた楽しからずや、であろう。




Konishiroku Hexar 50mm F3.5

 \ 63,000

言うまでもなく、当時あまた世に出たライカ・エルマーのコピーレンズであるが、我が国でも最古と言って良い歴史を誇る小西六の「ヘキサー」であるから、外観をそっくり真似て一丁上がり…といったお手軽なコピー商品ではない。
レンズ構成は本家と同じテッサー・タイプの3群4枚である。絞りリングがライツのエルマーとは違って鏡胴にある為、操作しやすく、フィルター装着時もなんら支障なく使うことが出来る。

 

鏡胴には沈胴の操作を表示する赤い矢印が刻印されていて、このあたりはコニカ35と共通する仕様になっていて興味深いものがある。非常に親切・丁寧でユーザー・フレンドリーな、小西六という会社の姿勢が垣間見えるようである。

 

テッサー・タイプであるから、クセのない非常に素直な描写をするレンズである。そのなだらかな階調は、昨今のコントラストばかりが強調された没個性レンズとは一線を画すもので、なんとなく穏やかな懐かしい画質を持っている。エルマーや、最近になって生産された沈胴ヘキサノン50/2.4などと撮り比べてみるのも楽しいだろう。特にモノクローム派の通人にお勧めしたい銘玉である。

 

Konishiroku Hexanon 50mm F1.9

 \ 75,600

ヘキサー50/3.5がエルマー・コピーとすれば、こちらは同じくライツのズマリットのコピーといった感がある、大口径の50ミリ標準レンズである。レンズ単品としてではなく、国産コピーライカ機などとセットで販売されたものであろう。レオタックスのブランドでも、ヘキサノン・レンズを販売していたという記録は残っている。

 

レンズ構成は5群6枚、明るさはF1.9である。本家であるズマリットは5群7枚で開放F値1.5なので、中味はまったくの別物と言っていいだろう。まぁ、ズマリットといえども、このページのトップに登場したクセノンを踏襲して作り出されたレンズであるから、真似したのどうのと言うこと自体にさほど意味はないかもしれない。

 

もちろんヘンキサノンの名前に恥じないだけの描写をするレンズである。F1.9という明るさを活用して、絞り開放近くでオールド・レンズならではの柔らかな味を楽しんで頂きたい。